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海の向こうに

by lazy_planet
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向こう側の日常

最近になって、Instagramでアジア圏の人を中心に、たくさんの海外に住む人をフォローし始めた。ベトナム、タイ、韓国、中国、イラン、トルコ・・・。彼らの撮る日常の写真が、自分の好きな写真にとても近い。少しざらついたフィルムの雰囲気、暖色系のフィルター、あるいは陰影を強調したコントラストの美しい写真など。被写体もさまざまで、ひとのさりげない仕草を撮ったものもあれば、街の雑踏、カフェ、ショッピングセンター、本屋さんの様子、学校の風景、子どもの笑顔。どれも、日本のそれとはすぐに違うとわかるのに、とても親しみやすい。向こう側の日常が、自分たちのものと同じように流れていて、とてもよく似ていることが分かる。

インドの空気

学生の頃、何度か外国に行った。ドイツ、インド、スイス、フランス。アメリカや中国、韓国は大人になってもすぐに行けるだろうと思って、結局まだ行ったことがない。アジア圏はインドだけ。だからここではインドの空気のことしか書けない。砂埃の舞う、でこぼこした道路。人も車も牛も、自由にゆく往来。面白くて活気のある街だった。ガイド付きのツアーだったので、あまりに道外れな場所には連れて行ってもらえなかったが、小さな駄菓子屋さんに連れて行ってもらった。不思議な少し怪しい匂いの漂う店だった。

その時しか知らない

わずかな時間だけ滞在しない観光客は、本当にその時の自分で見ることのできたその国、その町のことしか知らない。そして、それを残した写真は、さらにその記憶の一部分しか切り取っていない。だから、とても断片的な情報だけがそこに詰め込まれている。僕らが見た光景は、そこの人たちにとっての日常ではないかもしれない。観光をしたときに見る景色は、日本とは全く違うものに映る。たしかに外国に来た、という印象を与える。

日常を共有する

でも、インターネットでつながる世界では、それぞれの日常を共有することができる。言葉は分からなくても写真はいろいろなものを伝えてくれる。それぞれがアップロードした日常は、自分が外国に行ったときに感じた「異国」の感じは無く、自分の日常とつながっているように思える。同じようなものに美しさを見出し、写真に撮る。おいしいものは、やはり同じようにおいしい。子どもの笑顔には、思わず「Like!」を押してしまう。

人と日常

その国に住む人が、どんなふうに物事をとらえているか、どんなものが好きか、どんなものに魅力を感じるのか、そんなことが知りたい、と思う。それには、その国の人とのつながりが必要だ。その人の日常を知る。人がいて、日常がある。日常にこそ、その国の暮らしの本当のところがある。そこに自分にとっての非日常を見出したり、自分の暮らしの延長にあるものを感じたりできる。観光地より、ずっと面白い。SNSで彼らの写真に惹かれるのはきっと、そのせいだ。



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