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街の記憶

by lazy_planet

変わっていくもの

"少しずつ変わっていく、少しずつ薄れていく。街も、僕の記憶も。" 
humberthumbert / 『さようなら君の街』

久しぶりに、古い写真を掘り起こしてみると、意外と街の風景を撮影していることに気づく。結婚するまでは、今の妻を、子どもが生まれてからは、子どもの写真ばかり撮っていたと思っていたのに、すき間を埋めるように、街の写真が残されている。すべて、今はもう変わっているだろう街の姿だ。

歩く、考える

東京の下町、商店街、いろんなところを歩いてみると、とてもごちゃごちゃしていた。整然と整った大きな道に沿って高いビルが聳え立っているのは、ほんの少しの場所や駅前だけにすぎない。だから、東京の街を歩くことは面白かった。歩きながら、考えた。この場所に住んでいた人、今も住んでいる人、これから住む人のことを。そして、自分もここで暮らしていけるだろうか、と。

街の記憶

線路が伸びるにつれて、新しく作られていった街はどこか整然としている。だから、東京の東にある街の雰囲気が好きだった。どかどかと家や店を作っては壊し、店が潰れてはまたほかの誰かが店を始める。歩いていると、そうやって今の景色につながっている街の記憶をたどることができる。居酒屋や喫茶店にいけば、もともとあそこは何屋だった、という話を聞くことができる。

僕の記憶

これらの写真を撮っていたときのことは、もうよく覚えていない。何かを残したくて撮ったわけでもない。でも、写真を見ていると、断片的にその頃の日常を思い出す。旅先の写真は、旅の思い出しか残さないけれど、日常の写真は、さまざまな記憶を呼び起こしてくれる。その場所の記憶だけではない、当時の暮らしのことを思い出す。

だから、こうした何でもない写真は、街の記憶でもあり、僕の記憶でもある。
そして、それらは少しずつ、変わっていくし、薄れていく。



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